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山名 菜穂子(旧姓:岩崎) 29歳
会社員
空手歴7年
H17年2月 初段取得
※上記は全て平成17年現在です。
ブログ 「みなみ風の武道日記」
役者になりたい-と夢見ていた10代。がむしゃらにもがくものの、先行きの無い不安にかられ、大きな壁を感じていました。そんな時に門馬智幸師範と出会いました。「空手は精神修行の場。自己鍛錬の道」。その言葉が強く胸に響き、見知らぬ武道の世界へと足を踏み入れたのです。当初は突きや蹴りの動作に戸惑いを受け、すぐにでも辞めたい気持ちでいっぱいでしたが、「自己鍛錬」そう言い聞かせて通い続けました。不思議なことに、3ヶ月もすると、道場は、居心地の良い空間に変わっていたのです。
7年という年月には様々なことがありました。県大会優勝、翌年一回戦敗退の挫折、全日本大会への挑戦、足の手術、3連覇、道場の責任者。そして今、私の腰には金線の刺繍が入った黒帯が締められています。『周囲に振り回されること無く、何色にも染まらない、自分の意志をしっかりと持った、筋金入りの人格者であること。』黒帯にはそのような意味が込められていると教わりました。また10人組手を終えたとき、岩手県本部の小野寺勝美師範より『黒帯自体に価値は無い。締める人間によって価値は決まる。価値ある黒帯になれ』と激励され、門馬師範からは『黒帯からが本当の修行の始まり。終点では無く出発点だということを忘れるな』と言葉を頂き、あらためて黒帯の重みや責任を感じました。
「黒帯に挑戦してみろ」、「押忍」。この短い会話の中には様々な思いが込められています。声を掛けていただいたことに喜びつつ、「私にはまだ早いです。10人組手怖いです。自信ありません」そんな気持ちと葛藤し、昇段審査の朝を迎えました。
想像通り、痛かったです。怖かったです。でもそれ以上に幸せでした。たくさんの仲間の声援に支えられ、ほんとうに幸せ者だと思いました。だからこそ、今度はその仲間たちに、空手を通して恩返しをしていきたいです。
10人組手の日を迎えるまで、支えてくださったたくさんの方々にこの場をお借りし、心から感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました。心機一転、初心に返った気持ち、忘れません。白帯から始まった空手人生は、皆様のお陰で色を変えてきました。私にできる恩返しの手段は、空手しかありません。今まで教えて頂いた事を、自己研鑽を積みながら一生懸命伝えていきたいです。
私の夢、それは「影響力のある人間」になること。その夢を叶えるために目指したのが「役者の道」でしたが、これからは「空手の道」の指導者としてその夢を叶えていきます。そのためにも、門馬師範をはじめ諸先生方、先輩方、そして家族や門下生の皆さん、これからも宜しくお願いします。泣き虫で、わがままで、頑固者の私ですが、とにかく精一杯、空手に関わり、武道教育を通して、自分にしかできない事をやり遂げていきたいです。
押忍